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Lyria 3.5がGeminiに登場:無料で3分の楽曲生成

Darius Z. 著者: Darius Z. 10 分で読めます
日差しの入るカフェのテーブルでコーヒーマグに立てかけたスマートフォンに音声波形が表示され、GeminiのLyria 3.5による楽曲生成を示すイメージ

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2026年9月4日、Lyria 3.5がGeminiアプリとGemini APIに届きました。Geminiを使っている人なら誰でも無料で、作れる楽曲の長さは2〜3分です。無料アカウントが2月からずっと30秒のクリップに制限されていたことを考えると、ここが一番の変化になります。Googleはこれを自社で最も音の良い音楽生成モデルだと説明しており、ボーカルの表現力とアレンジの厚みが上がったとしています。同じモデルはGoogle Flow Music、Google AI Studio、Google Vidsでも動いており、今回のGeminiへの展開はウェブとモバイルアプリの両方、Geminiアプリが使えるすべての国が対象です。

アプリ側の操作も増えました。ジャンルのメニュー、ボーカルかインストゥルメンタルかの切り替え、短めの「Short」と標準の「Standard」から選ぶ長さの設定、そして24種類のテンプレートです。以下では無料アカウントで何ができるのかを、実際に私が作ったトラックと一緒に見ていきます。

重要ポイント

  • ウェブでもモバイルでも、世界中のGeminiユーザーが無料で利用可能。有料プランは不要です
  • Standardのトラックは2〜3分で、今回のテストでは2分43秒と2分49秒。Shortは約1分、テストでは1分2秒でした
  • 24種類のテンプレートに加え、ジャンル、ボーカル、長さのメニューで生成前に方向性を決められます
  • 完成したトラックはMP3かカバーアート付きのMP4で無料ダウンロード可能。SynthIDの透かしが入ります
  • Gemini API経由のLyria 3.5は1曲$0.08。開発者向けの無料枠はありません

商用利用したいならElevenLabs Music

ElevenLabs Musicはボーカル入りのスタジオ品質の楽曲を生成でき、毎月10,000クレジットを無料で使えます。ウェブ版は月$6から商用利用に対応しています。

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2:43 テストしたStandardトラック
1:02 Shortトラック
24 テンプレート数
$0.08 API経由の1曲あたり

Gemini 音楽生成の何が変わったのか

9月4日より前のGeminiアプリには、音楽用のテキスト入力欄がひとつあるだけでした。今はジャンル、ボーカル、長さの3つのメニューと、24種類のテンプレートが並ぶグリッドがあります。同じLyria 3.5のモデルは、Google Flow Music、Google AI Studio、Google Vidsでも動いています。

Lyria 3.5のテンプレート一覧とBackground musicのプロンプト欄が表示されたGeminiのCreate music画面
無料アカウントで開いた「Create music」(音楽を作成)の画面です。プロンプト欄にはBackground musicのテンプレートが読み込まれ、その下に長さ、ボーカル、ジャンルのメニューが並んでいます。

ジャンルは17種類のプリセットか、プロンプトの内容に従う「Custom」から選びます。ボーカルの設定は3つで、プロンプト任せの「Custom」、ボーカルありの「Vocals on」、楽器のみの「Instrumental」です。テンプレートを選ぶと、プロンプト欄に質問が入ります。Background musicなら、その音楽を何に使うのかを聞かれます。

17種類のジャンルプリセット

Pop、K-pop、Lo-fi、Cinematicなどのプリセットに加え、プロンプトに従わせるCustomも選べます

ボーカルかインストゥルメンタルか

プロンプト任せのCustom、ボーカルありのVocals on、楽器のみのInstrumentalの3択です

ShortとStandardの長さ

テストではShortが約1分、Standardが3分近くになりました

24種類のテンプレート

Soundscape、Brand jingle、Ringtone、Rap battle、Birthday roast、Weather reportほか18種類。それぞれが方向性を決める質問を読み込みます

写真プロンプトとカバーアート

写真をプロンプトの一部としてアップロードでき、完成したトラックにはNano Bananaが描いたカバーアートが付きます

機能だけを並べれば、無料のGeminiアカウントはElevenLabs MusicSoundrawといった有料ツールにかなり近づきました。どちらもAI音楽生成ツールの比較記事で取り上げています。ただしライセンスの面はそうではなく、後半の比較表がその差を示しています。

Lyria 3.5の使い方と、無料アカウントで作った3曲

2026年9月6日、私は無料のGeminiアカウントで3曲つくりました。Create musicの画面には見出しの下に「Create with Lyria 3.5」と書かれていて、右上には「Upgrade」(アップグレード)のボタンがそのまま残っていました。有料プランは使っていません。

1曲目は、小さな町の日曜の朝のコーヒーの買い出しをテーマに、女性リードボーカルのアップテンポなインディーポップを頼みました。ジャキジャキしたギター、手拍子、温かみのあるベース、一緒に歌えるサビという指定で、長さはStandardです。Geminiが付けた曲名はSunlight Through the Door。生成に2分ほどかかり、できあがったMP3は2分43秒、44.1 kHzのステレオでした。

Lyria 3.5 Standardの長さ、ボーカルありのインディーポップ:Sunlight Through the Door(2:43)
0:00 --:--

無料アカウントで選べる長さはShortとStandardの2つだけで、それぞれ何分になるのかは画面に出ません。

無料プランのGeminiでLyria 3.5のトラックの長さを選ぶメニュー。ShortとStandardの2つが表示されている
無料アカウントの長さメニューです。選択肢は「Short」と「Standard」の2つだけで、ここではlo-fiのトラック用にShortを選んでいます。

2曲目はBackground musicのテンプレートを使い、その質問に、YouTubeの居心地のいいカフェVlog用と答えました。lo-fiで楽器のみ、やわらかいピアノとゆったりしたドラムループ、長さはShortです。Geminiが付けた曲名はPaperback Tuesdayで、1分もかからずに返ってきました。長さは1分2秒、開いた文庫本の横にコーヒーマグを置いたカバーアートが付いてきました。

Lyria 3.5 Shortの長さ、Background musicテンプレート、lo-fiの楽器のみ:Paperback Tuesday(1:02)
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Lyria 3.5で作ったPaperback Tuesdayの完成画面。Nano Bananaのカバーアートとプレイヤーが表示されている
完成したPaperback Tuesdayのカードです。マグと文庫本はプロンプトをもとにNano Bananaが描いたもので、プレイヤーはGeminiの返答の下に表示されます。

3曲目は、新しい街で迎える初日をテーマにした、自信のある女性ボーカルのK-popダンストラックをStandardの長さで頼みました。サビは英語、ところどころに韓国語を混ぜる指定です。1回目はGeminiの返答だけが返ってきて、プレイヤーが出ませんでした。同じプロンプトをもう一度流すと通りました。曲名は나의 시간(「私の時間」の意味)で、長さは2分49秒です。

Lyria 3.5 Standardの長さ、ボーカルありのK-pop:나의 시간(2:49)
0:00 --:--

同じ日に1つの無料アカウントから4回生成して、そのうち3つが使えるトラックになりました。制限の通知は一度も出ていません。回数についてGoogleは数字を公開しておらず、ヘルプページには、上限を超えると通知が表示され、待つかアップグレードするかを選べる、と書かれているだけです。完成したトラックにはどれも同じ2つのダウンロードが用意されます。カバーアート付きの動画になる「Video (audio with cover art)」と、音声だけの「Audio only (MP3)」です。

30秒のクリップから3分の楽曲へ、Lyriaのこれまで

  • 2026年2月18日 - Lyria 3が18歳以上のユーザー向けにGeminiアプリで無料公開。作れるのは30秒のクリップで、日本語は開始時点から対応する最初の8言語に入っていました。
  • 2026年3月25日 - Lyria 3 Proが登場し、最長3分のトラックに対応。対象はGeminiの有料プラン加入者と、Google Vids、AI Studio、Vertex AIでした。
  • 2026年4月9日 - Googleが3分のトラックをGoogle AI Plusと一部のWorkspaceエディションにも拡大。無料アカウントは30秒のままでした。
  • 2026年7月29日 - Lyria 3.5がGoogle Flow Musicで先に登場。メロディ、歌詞、ボーカル、テンポ制御が改善されました。
  • 2026年9月4日 - Lyria 3.5がGeminiアプリの全ユーザーとGemini APIに到達。Standardのトラックが無料で2〜3分になりました。
情報: 同じモデル名で2回のロールアウト

Lyria 3.5は9月4日に生まれたモデルではありません。最初に載ったのは2026年7月29日のGoogle Flow Musicで、アーティスト向けの提供でした。9月4日はそれとは別に、無料のGeminiアプリとGemini APIへ展開されたタイミングです。

Lyria 3.5とSuno、ElevenLabs Music、Soundrawの比較

下の表は、無料のGeminiアカウントで使えるLyria 3.5と、有料が前提の音楽生成ツール3つを並べたものです。

価格は2026年9月時点で確認

機能 Lyria 3.5 (Gemini) Suno ElevenLabs Music Soundraw
無料プラン 無料、有料プランは不要 1日50クレジット 月10,000クレジット プレビューは無制限、ダウンロード不可
最大トラック長 2〜3分(テストでは2:43と2:49) 最長8分 5分以上 調整可能
ボーカルと歌詞 あり あり あり 楽器のみ
無料プランでのダウンロード MP3とMP4が無料 なし、再生のみ なし、再生のみ なし、プレビューのみ
商用利用 Googleの明示なし 無料は不可、有料は可 Starter($6/月)から Creator($12.99/月)から
有料プランの下限 有料プランなし $10/月(年払い$8/月) ウェブ$6/月(年払い$5/月) $12.99/月(年払い$11.04/月)
AI透かし SynthID 記載なし 記載なし 記載なし
ステム なし あり、有料プラン なし あり、Artistプラン

ボーカル入りのフル楽曲を無料で作れて、しかも無料でダウンロードできます。ここまで無料で開放しているツールは、残りの3つにはありません。Googleが用意していないのは、商用利用についての説明、ステムの書き出し、そしてプロンプトを書き直す以外の編集手段です。有料の3つはいずれも商用ライセンスを販売しており、SunoとSoundrawは有料プランでステムも書き出せます。

開発者向けLyria 3.5 APIの仕様と料金

Gemini APIでは、モデルidのlyria-3.5から直接呼び出せます。出力は44.1 kHzのステレオで、既定はMP3、WAVも選べます。歌詞を自分で書く場合は[Verse]や[Chorus]といったセクションタグを使い、プロンプトには音の方向づけとして最大10枚の画像を含められます。長さはプロンプトかタイムスタンプで指定できますが、生成は1ターンで完結します。あとから追加のプロンプトで少しずつ直していくことはできず、同じプロンプトでも結果は変わります。

出力にはアプリと同じくSynthIDの透かしが必ず入ります。特定のアーティストの声や著作権のある歌詞を名指しするリクエストは、安全フィルターがはじきます。料金は1曲$0.08で、無料枠はありません。Lyria 3 Proのプレビューも同額、旧世代のLyria 3 Clipのプレビューは30秒のクリップで$0.04です。

有料の音楽生成ツールはこれからどうなるのか

気軽に使う層はGoogleに流れる

すでに開いているアプリの中で、ボーカル入りのフル楽曲が無料で作れます。これはSunoをはじめとする各社の無料プランに効いてきます。Sunoの無料プランは1日50クレジットで、再生のみ、ダウンロードはできません。無料のGeminiアカウントならファイルが手元に残ります。長さでは今もSunoの有料プランが上で、最長8分まで作れます。

有料ツールが今も売っているもの

お金を払い続ける理由として一番はっきりしているのは商用ライセンスです。Suno、ElevenLabs Music、Soundrawはいずれも商用利用の権利を明示して販売しています。GoogleはLyria 3.5の出力について何も言っていません。ボーカルと楽器を分けたステムも差が出る部分で、SunoとSoundrawは有料プランで書き出せますが、Geminiにはありません。Soundrawは自社で制作した音源だけを学習に使っているため、モデルが誰の音楽から学んだのかという疑問は、クライアントに聞かれる前に片付いています。4つのうち、すべてのトラックに透かしを入れると明記しているのはGoogleだけです。

AI楽曲の表示と著作権をめぐる問題

Lyria 3.5で作ったトラックには、Geminiアプリ、Google Flow Music、APIのどこから出したものでもSynthIDの透かしが入ります。Apple Musicは年内に、AI楽曲へMade With AIのラベルを表示する計画で、生成側が埋め込むものとは別のレイヤーを重ねる形です。Sunoの答えはライセンスで、8月にはBMGとの契約と同時にSuno Studio 2.0を出しました。ElevenLabsはウェブとElevenMusicアプリで音楽を販売しており、Starterプランから商用利用の権利が付きます。無料のGeminiのトラックはそのどれにも当てはまりません。透かしは入り、ダウンロードもできますが、根拠として示せるライセンスがない状態です。

著作権の心配がないBGMならSoundraw

Soundrawは著作権の心配がない楽器のみのトラックを無制限に生成できます。プレビューは無料で、月$11.04からダウンロードと買い切りのライセンスが付きます。

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よくある質問

Lyria 3.5は無料で使えますか?

はい。Lyria 3.5はウェブでもモバイルでも、すべてのGeminiユーザーが無料で使えます。Standardのトラックは2〜3分、Shortは約1分で、どちらもMP3かMP4でダウンロードできます。Gemini APIはこれとは別で有料です。1曲$0.08、無料枠はありません。

Geminiの音楽生成で30秒以上の曲は作れますか?

作れます。2026年9月4日以降、無料アカウントでもStandardを選べば2〜3分のトラックになり、2月から続いていた30秒のクリップの制限は外れました。テストではStandardのトラックが2分43秒と2分49秒、Shortのトラックが1分2秒でした。

Lyria 3.5とSunoはどちらを使えばいいですか?

何に使うかによります。Lyria 3.5は無料で、ボーカル入りのフル楽曲が作れて、ダウンロードも無料です。ただしGoogleは、できた曲を商用利用していいかどうかを明示していません。Sunoの無料プランは今は再生のみですが、有料プランなら商用利用の権利が付き、最長8分まで作れるので、世に出す前提の曲にはこちらが向いています。

Lyria 3.5で作った曲は商用利用やYouTubeでの使用ができますか?

Googleは何も言っていません。GeminiアプリのLyria 3.5で作ったトラックについて、商用利用を認める記載は公開されておらず、すべてのトラックにはAI生成であることを示すSynthIDの透かしが入ります。著作権や利用条件をはっきりさせたい仕事で使うなら、商用ライセンスを明示して販売しているElevenLabs MusicやSoundrawのようなツールの方が確実です。

Geminiの音楽生成に回数の制限はありますか?

回数そのものは公開されていません。Googleのサポートページには、無料アカウントで作れるトラック数には上限があり、超えると通知が出て、待つかアップグレードするかを選べる、と書かれているだけです。今回のテストでは、1つの無料アカウントでStandardとShortを混ぜて連続4回生成しましたが、制限の通知は出ませんでした。

Lyria 3.5のAPI料金はいくらですか?

Gemini APIのlyria-3.5は1曲$0.08で、開発者向けの無料枠はありません。旧世代のLyria 3 Clipのプレビューはもう少し安く、30秒のクリップで$0.04です。出力は44.1 kHzのステレオで、既定はMP3、WAVも選べます。

Lyria 3.5の曲にはSynthIDの透かしが入りますか?

入ります。Geminiアプリ、Google Flow Music、APIのいずれで生成しても、Lyria 3.5のトラックにはSynthIDの音声透かしが埋め込まれます。透かしは通常の編集では消えないため、手元のファイルをGeminiにアップロードして、GoogleのAIで作られたものかどうかを尋ねれば確認できます。


出典

  1. Create your best tracks yet with Lyria 3.5 in Gemini - Google、2026年9月4日
  2. Lyria 3.5 in Flow Music - Google、2026年7月29日
  3. Generate music with Gemini Apps - Gemini Apps ヘルプ
  4. Generate music with Lyria 3.5 - Google AI 開発者向けドキュメント
  5. Gemini API pricing - Google AI 開発者向けドキュメント
  6. Expanding access to longer musical tracks in the Gemini app - Google Workspace Updates、2026年4月9日
  7. Lyria 3 Pro - Google、2026年3月25日
  8. Lyria model page - Google DeepMind
  9. Latest Lyria model comes to Gemini app - Android Authority、2026年9月4日

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